世界遺産 コルディレラの棚田 (-バナウエ-)
■・コルディラの棚田群は、ルソン島北部、中央山岳地帯コルディレラ山脈の山深い斜面にある。特にバナウエ-は有名です。
・棚田の規模としては、世界最大といわれ、1995年にユネスコの世界遺産に登録された。
・棚田群は、紀元前1000年ごろから山岳民族の「イフガオ族」が手作業で作り、総延長20,000kmを越える棚田群である。「天国へ昇る階段」とも言われている。
・標高が1,000メ ートル以上を越える山々の奥深い山中に突然大規模な棚田が現れる。
・しかし近年は都会に出る若者が多く、人手不足のため放棄された棚田や水の流れを無視した住居の建築で世界遺産としての棚田が消滅しつつある。
・2001年にユネスコは、コルディラの棚田を「危機遺産」とした。紀元前から3,000年以上続いた棚田も消えゆく運命のようだ。
■・棚田のあるバナウェーへの行き方
・マニラからの行き方には 3つのルートがある。
・ここは飛行機では行けない。長距離バスとなる。
①マニラ・ソラーノ経由の道
・マニラからのルートでは、この道がよく使われる。
・平坦な道で、マニラを夜に出発して朝にバナウェーに着く。
②・サンフェルナンド経由の海岸寄りの道
・ダグパン方面のからの人々に利用されている道。
・途中に山岳道路もあるが、比較的平坦で快適な道が続いている。
③・バギオ経由の山岳道路の道
・バキオから10時間程度かかるが、冒険旅行の好きな人達はこの道を使う。
・天気がよいときには、コルディレラ山脈の絶景を楽しめるが、雨期には危険な山岳道路となる。
■・コルディラの棚田(ライス・テラス )
・コルディラ山岳の集落に展開する階段状の水田群。
・山岳地で平地がないため昔から人々は幾重にも連なる階段状の棚田をつくった。
・スペインの植民地時代でも、コルディラの棚田はスペイン支配から何ら影響を受けることなく受け継がれてきた。
*バナウェーは、あまりにも山奥でスペイン人もたどり着けなかったと思われる。
・石垣で積み上げた棚田の壁は、高さが十数メ-トルの箇所もあり、棚田の延長を総合すると地球半週分(約20,000km)に匹敵するともいわれる。世界最大規模の棚田群です。
・これらの棚田は、イフガオ族の口承で建設技術や耕作技術が伝えられてきたと言われている。 (イフガオ族伝統文化の結晶でもある。)
■・イフガオ族とは (Ifugao)
・フィリピン北部,ルソン島のコルディレラ山脈に居住するマレー系の少数民族です。
・現在、人口約19万人と推定されている。
・稲作農耕民族で棚田を用いて、陸稲(米)、サツ、マイモ、トウモロコシ、砂糖キビ、豆類などを栽培して暮らしてきた。
・土地の私有権および相続権は確立されており、慣習や儀式などによって近隣家族が密接に結びつけられた集団です。双系的な「親族組織」をもち,第3いとこまでが親類とみなされる。
・イフガオ族の伝統的な家屋は「正方形高床式」と呼ばれて屋敷内には高床式の米倉がある。
・集落は、高床式家屋が20棟前後で構成され、子供達は一定の年齢に達するまで家族とは別の共同寝所(アガマン)で寝泊りをする習慣がある。
・7月になると集落共同で刈り入れが行なわれる。
・米の神に (しばしばそれを象徴する男女の木像が使われる) ニワトリやブタの心臓から吹き出る血や米からつくった酒が捧げられる宗教的な儀式を長時間行う風習がある。
・ボントックの町には、同じ山岳民族のボントック族の民族博物館がある。